
戦後に見つけた豊かな土地。東京ドーム5個分のお茶畑に。
「田んぼと雑木林しかなかったところにできたのがこの茶園です。戦後に日下(霧山をくだったところ)のほうから2時間くらい牛をつれて山を登って、田んぼを耕していたみたいなんです」と霧山茶園の矢野さんは話します。
昭和43年に、小山の連続というお茶に適した土地柄から、お茶の栽培を始めた霧山茶園。東京ドーム5個分という、高知で一番大きな茶畑だそうです。

霧山茶園は、2億5千万年前のミネラルが豊富な地質と、仁淀川のきれいな水、イノシシがかけまわるくらい豊かな自然に囲まれています。山の上にあり、太陽からの光を茶葉がたくさん吸収しているので、旨味成分が感じやすいと言われることが多いそうです。
さらに、美味しいお茶を作るために、ひと手間も加えているとか。
「春に摘み取った茶葉を低温熟成するのもポイント。夏場を越えるとまろやかな味に変わるという特徴があります」(矢野さん)
この霧山茶園ならではのお茶の香りとまろやかな旨みからくる味わいの深さが人気の秘密です。

「土佐茶」は、静岡茶の一部だった?
「『土佐茶』って、以前は静岡茶の一部だったんです」と矢野さん。
高知のお茶は「土佐茶」と呼ばれ、苦味が少なく、香り豊かでコクがあるのが特徴だそう。
仁淀川・四万十川流域など、清流が流れる山あいの地域が主な産地となっています。
豊かな自然の恩恵を受けて栽培される「土佐茶」は、全国と比べても高い品質を誇り、その約8割が静岡県へ出荷。高級茶のブレンド用としても根強い人気があるそうです。

「くらしによりそうお茶」を作り続ける
今では気軽にペットボトルのお茶が買える時代。
中高生に関しては、急須を見たことがない人が多かったことに、矢野さんは危機感を感じています。
「抽出方法だけではなく、緑茶や烏龍茶も茶葉から出来ているように加工方法が違うだけで、味わいが全く変わるんです。お茶って奥が深い。これをみんなに知ってほしいんですよね」(矢野さん)

やっぱり淹れたてのお茶は、香りも旨味も格別です。
文化として、食として、日本の暮らしに息づいてきたお茶。
嗜好品なので人によって好みは違いますが、ご飯のときに飲む、少し疲れてリラックスするときに飲むなど、いろんなシーンでお茶を楽しんでもらいたい。そんな暮らしに寄り添うお茶を、ぜひみなさんにもお手に取っていただきたいです。

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