どん底にいた時に、猫に救われた恩返し、少しでも多くの猫を幸せにしたい
「にゃんこメリー」は、高知県日高村で唯一の猫カフェです。にゃんこメリーの大きな特徴は、そこにいる猫たちは一度、保健所で殺処分の対象となったことがあること、そして、里親さんが決まった猫はにゃんこメリーを卒業する、“里親募集型の保護猫カフェ”であることです。
かつて高知県だけでも年間1717匹もの猫が殺処分されていました。年々、殺処分数は減ってきてはいますが、それでもまだ殺処分数はゼロではありません。2022年、高知県では262匹の猫の命が奪われました。
その悲しい現実に向き合い、少しでも多くの命を救うために立ち上がったのが田中幸絵さん。保健所で殺処分対象となった子猫たちを引き取り、授乳期は1日中ミルクや排泄のお世話をし、成長のタイミングを見極めて猫カフェデビュー。猫たちを家族として迎えてくれる里親さんを募集しながら、猫カフェを運営しています。
ものごころがついた時には常に猫が隣におり、多い時には10匹以上の猫と兄弟のように育ってきた田中さん。大の猫好きだったことから、いつか猫カフェをオープンするのが長年の夢だったと言います。
そんな田中さんはにゃんこメリーのオープンに至る前、コンビニの店長として勤務をしていました。コンビニでは節分やクリスマスなどの催事やセールごとに、見栄えのために商品が大量に発注され、賞味期限が切れて売れ残れば廃棄されていくのが当たり前。命の大量消費を目の当たりにして、田中さんは強い憤りを感じていました。しかし仕事だからと何もできず、毎日耐えていたと言います。
それから保護を目的とした猫カフェをオープンしようと決意したのは、知り合いから引き取り育てていた子猫が、亡くなってしまったのがきっかけでした。火葬をした後に、子猫は不治の病だったことが判明しますが、救ってあげることが出来なかった辛さから、仕事もままならない程に精神的ショックを受けたと、田中さんは当時を振り返ります。
「仕事で心が疲弊していたことも重なり、ストレスが原因で発症してしまう病気にかかってしまったんです。3ヶ月間何もできず、家に引きこもり泣いていました。そんな時に私の涙を拭ってくれるように、愛猫が顔をなめてくれたんです。悲しんでいることを感じて、猫は3ヶ月間も寄り添い続けてくれました。言葉は通じないけれど、動物は心がつながっているんだと、より強く実感しましたね。愛猫たちのおかげで元気になり、『どん底にいた時に救われた恩返しをしたいたい』と本気で思ったんです」
里親さんへ送り出してきた猫たち82匹はみんな“我が子”
田中さんが一番慎重に行なっているというのが、里親探しです。里親になりたいという方が現れたら、まずは生活スタイルや飼育経験、アレルギーなどをヒアリング。それから実際に、1〜2週間お家で猫と一緒に過ごすトライアル期間を設けることで、猫と里親さんの相性をしっかりと見ています。
「里親さんが決まったとしても、どうしても屋内飼育が徹底できず、猫が家の外に出てしまって交通事故で死なせてしまったり、生活が変化してしまって飼い続けられなくなってしまったり、相性が合わず手放さなければいけなくなったりする人もいるんです。そんな悲しい結末にならないように、『この方なら大丈夫だ』と思えた方だけに譲渡をしています」
そうやって田中さんが里親さんへ送りだしてきた猫は82匹にのぼります(2024年2月時点)。「それでも里親に出す寂しさは、何度経験をしても慣れないんです」と田中さん。
「里親さんが決まって送り出す瞬間って嬉しいはずですが、本当に一匹一匹を我が子だと思っているので、正直言うと悲しくて悲しくて……。送り出してから1週間くらいは、かなりへこんでいます(笑)。そうやって私が落ち込んでいると、こうじ(にゃんこメリー歴5年の男の子の猫)が頭をポンポンって、慰めてくれるんです。いつも『こうじ! いつ、どこで、そんなイケメンな技を覚えたの!』って笑って元気をもらっていますね(笑)」
それほどまでに猫たちへの愛が止まらない田中さんは、里親さんに送りだした猫たち82匹全員に、今でも必ず誕生日にはプレゼントを贈っているそうです。いつまでも送り出した猫たち、みんなを我が子のように思い続けています。
寄付者さんから届いた応援の声は3年間で約650件
にゃんこメリーでは、いただいた寄付の返礼品は送っていません。なぜなら、いただいた寄付は、ごはん代、手術代、カフェの運用費などに使わせていただいているからです。また寄付だけに留まらず、にゃんこメリーの活動への声援を送ってくださる寄付者さんもたくさんいます。「少しでも多くの命を救えるように頑張ってください!」「1匹でも多くの猫ちゃんが幸せになれますように、皆様の活動を応援しています」「犬や猫の殺処分ゼロを目指して頑張ってください」など、ここには書ききれないほど。その数は3年間でなんと約650件。
「たくさん方からいただいた声援は村長にまで届き、できるだけ多くの猫の命を救うために何かできることはないかと、日高村とにゃんこメリーで協議をしました」
そもそも保健所に収容される子猫は、望まない妊娠出産によって生まれ人間に捨てられてしまった飼い猫の子猫たちや、野良猫が産んだ子猫たち。
まずは望まない妊娠を減らすため、飼い猫と野良猫どちらも対象に不妊手術費の助成をするのはどうかと、田中さんは日高村に提案しました。そして2022年に「動物と人とが共存できる村づくり事業」が始まり、メスの飼い猫と野良猫の不妊手術費を助成をする制度が始まったのです。寄付をしてくれた方々からたくさんの応援の声をいただいたことにより、日高村に大きな変化が生まれました。これからもにゃんこメリーと日高村、そして村民と協力しながら、より多くの小さな命を救えるよう動いていきます。
いただいたご寄付の使い道やにゃんこメリーの活動、日々のかわいい猫たちの様子をInstagramで発信中です。Instagramを見守っていただくだけでも応援になりますので、ぜひご覧ください。
にゃんこメリー公式Instagramはこちら>
「にゃんこメリー」は、高知県日高村で唯一の猫カフェです。にゃんこメリーの大きな特徴は、そこにいる猫たちは一度、保健所で殺処分の対象となったことがあること、そして、里親さんが決まった猫はにゃんこメリーを卒業する、“里親募集型の保護猫カフェ”であることです。
かつて高知県だけでも年間1717匹もの猫が殺処分されていました。年々、殺処分数は減ってきてはいますが、それでもまだ殺処分数はゼロではありません。2022年、高知県では262匹の猫の命が奪われました。
その悲しい現実に向き合い、少しでも多くの命を救うために立ち上がったのが田中幸絵さん。保健所で殺処分対象となった子猫たちを引き取り、授乳期は1日中ミルクや排泄のお世話をし、成長のタイミングを見極めて猫カフェデビュー。猫たちを家族として迎えてくれる里親さんを募集しながら、猫カフェを運営しています。
ものごころがついた時には常に猫が隣におり、多い時には10匹以上の猫と兄弟のように育ってきた田中さん。大の猫好きだったことから、いつか猫カフェをオープンするのが長年の夢だったと言います。
そんな田中さんはにゃんこメリーのオープンに至る前、コンビニの店長として勤務をしていました。コンビニでは節分やクリスマスなどの催事やセールごとに、見栄えのために商品が大量に発注され、賞味期限が切れて売れ残れば廃棄されていくのが当たり前。命の大量消費を目の当たりにして、田中さんは強い憤りを感じていました。しかし仕事だからと何もできず、毎日耐えていたと言います。
それから保護を目的とした猫カフェをオープンしようと決意したのは、知り合いから引き取り育てていた子猫が、亡くなってしまったのがきっかけでした。火葬をした後に、子猫は不治の病だったことが判明しますが、救ってあげることが出来なかった辛さから、仕事もままならない程に精神的ショックを受けたと、田中さんは当時を振り返ります。
「仕事で心が疲弊していたことも重なり、ストレスが原因で発症してしまう病気にかかってしまったんです。3ヶ月間何もできず、家に引きこもり泣いていました。そんな時に私の涙を拭ってくれるように、愛猫が顔をなめてくれたんです。悲しんでいることを感じて、猫は3ヶ月間も寄り添い続けてくれました。言葉は通じないけれど、動物は心がつながっているんだと、より強く実感しましたね。愛猫たちのおかげで元気になり、『どん底にいた時に救われた恩返しをしたいたい』と本気で思ったんです」
里親さんへ送り出してきた猫たち82匹はみんな“我が子”
田中さんが一番慎重に行なっているというのが、里親探しです。里親になりたいという方が現れたら、まずは生活スタイルや飼育経験、アレルギーなどをヒアリング。それから実際に、1〜2週間お家で猫と一緒に過ごすトライアル期間を設けることで、猫と里親さんの相性をしっかりと見ています。
「里親さんが決まったとしても、どうしても屋内飼育が徹底できず、猫が家の外に出てしまって交通事故で死なせてしまったり、生活が変化してしまって飼い続けられなくなってしまったり、相性が合わず手放さなければいけなくなったりする人もいるんです。そんな悲しい結末にならないように、『この方なら大丈夫だ』と思えた方だけに譲渡をしています」
そうやって田中さんが里親さんへ送りだしてきた猫は82匹にのぼります(2024年2月時点)。「それでも里親に出す寂しさは、何度経験をしても慣れないんです」と田中さん。
「里親さんが決まって送り出す瞬間って嬉しいはずですが、本当に一匹一匹を我が子だと思っているので、正直言うと悲しくて悲しくて……。送り出してから1週間くらいは、かなりへこんでいます(笑)。そうやって私が落ち込んでいると、こうじ(にゃんこメリー歴5年の男の子の猫)が頭をポンポンって、慰めてくれるんです。いつも『こうじ! いつ、どこで、そんなイケメンな技を覚えたの!』って笑って元気をもらっていますね(笑)」
それほどまでに猫たちへの愛が止まらない田中さんは、里親さんに送りだした猫たち82匹全員に、今でも必ず誕生日にはプレゼントを贈っているそうです。いつまでも送り出した猫たち、みんなを我が子のように思い続けています。
寄付者さんから届いた応援の声は3年間で約650件
にゃんこメリーでは、いただいた寄付の返礼品は送っていません。なぜなら、いただいた寄付は、ごはん代、手術代、カフェの運用費などに使わせていただいているからです。また寄付だけに留まらず、にゃんこメリーの活動への声援を送ってくださる寄付者さんもたくさんいます。「少しでも多くの命を救えるように頑張ってください!」「1匹でも多くの猫ちゃんが幸せになれますように、皆様の活動を応援しています」「犬や猫の殺処分ゼロを目指して頑張ってください」など、ここには書ききれないほど。その数は3年間でなんと約650件。
「たくさん方からいただいた声援は村長にまで届き、できるだけ多くの猫の命を救うために何かできることはないかと、日高村とにゃんこメリーで協議をしました」
そもそも保健所に収容される子猫は、望まない妊娠出産によって生まれ人間に捨てられてしまった飼い猫の子猫たちや、野良猫が産んだ子猫たち。
まずは望まない妊娠を減らすため、飼い猫と野良猫どちらも対象に不妊手術費の助成をするのはどうかと、田中さんは日高村に提案しました。そして2022年に「動物と人とが共存できる村づくり事業」が始まり、メスの飼い猫と野良猫の不妊手術費を助成をする制度が始まったのです。寄付をしてくれた方々からたくさんの応援の声をいただいたことにより、日高村に大きな変化が生まれました。これからもにゃんこメリーと日高村、そして村民と協力しながら、より多くの小さな命を救えるよう動いていきます。
いただいたご寄付の使い道やにゃんこメリーの活動、日々のかわいい猫たちの様子をInstagramで発信中です。Instagramを見守っていただくだけでも応援になりますので、ぜひご覧ください。
にゃんこメリー公式Instagramはこちら>
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